デジタル社会のパスポート;「Nexera ID」「TIDV」。Alliance Blockによって普及するデジタル本人確認ソリューション

★3点要約★
1) 日本でデジタル本人確認を浸透させる、Open ID Foundation Japan
2) これからの新しい本人確認は「一度切り」
3) 世界中で普及を目指すAlliance Blockの「Nexera ID」

★ひと言★
本人確認は便利になるが、ますますオンチェーンされていく生活
世界のデジタル投資 2023.05.21
読者限定

今回は、日本国内でデジタル本人確認の普及活動をしているオープンIDファウンデーションの紹介をしながら、これからの本人確認の姿について触れてみる。

そして、その「デジタル本人確認」の将来像と合致するデジタルIDサービスを提供している、Alliance Blockの「Nexera ID」「TIDV」について紹介する。

▼Open ID Foundationとは

OpenID Foundation は、OpenID テクノロジーの実現、促進、保護に取り組む個人および企業で構成される非営利の国際標準化組織。

日本にも、Open ID Foundation Japanが2008年から存在し、
デジタル庁とも連携し、デジタル本人確認のガイドライン策定や普及活動をしている。

***

▼2023年3月資料; 「⺠間事業者向けデジタル本⼈確認ガイドライン」

これまでの本人確認は、本人確認書類を撮影し、写真データを認証側へ送信し、確認取れ次第、本人確認がクリアとなる手順である。

 これからの本人確認は、「スマートフォンだけで本人確認が完結」という絵姿が描かれている。

これまでは、Webサイトやアプリごとに、アカウントID と パスワードを設定し、そしてそれぞれに住所や電話番号などの個人情報を入力する必要がある。

より厳重な本人確認(Know Your Customer; KYC)をする場合には、運転免許証や保険証などの書類を撮影し、画像アップロードまたは郵送で書面を提出する手間も毎回生じている。

Open ID Foundationの資料にもあるように、これからのデジタル本人確認では以下のステップを踏み、webサービス利用を開始することができる。

1) ある認証サービスを利用して「一度だけ本人確認」を通過する。
2) その後の他webサービスやアプリを利用する際には、「私は本人です」という証左のみを、webサービス側へ提供する。
3) webサービス側も「このユーザはすでに本人確認KYC済のユーザだ」という認識をもつことができる。

***

▼「一度切りの本人確認」を実現する、Alliance Blockの「Nexera ID」

上段で述べていた「ある認証サービスで"一度だけ本人確認"を通過する」というサービスを実現するのが、Alliance Blockaが提供する「Nexera ID」、そして「TIDV」である。

「Nexera ID」(Nexera ID wallet) はWeb3.0業界のスマートウォレットに位置する。
(有名なMetamaskの進化版と思ってよい)

「TIDV」は現実世界の本人情報や本人確認書類を、"デジタルID認証組織"の審査協力を経て本人確認し、その後「本人ですよ」という証左を、他のWebサービスやアプリケーションへ提示するソリューションである。

Nexera IDは、メジャーな以下のコンプライアンスルールに準拠したデジタルIDソリューションを提供している。

・MiCA規則
「Market in Crypto Assets」の略で、現行のEU法に規制されていない仮想資産の規制を統一化し、ユーザーや投資家を保護することを目的としている。 

・FATF規則
「Financial Action Task Force」の略で、「金融活動作業部会」のこと。マネーロンダリングやテロリストへの資金供給を防ぐ対策の基準をつくる国際組織。欧州各国をはじめ日本、米国、中国、韓国など計39の加盟国・地域(2022年10月現在)で構成され、各国の取り組みを相互審査する。

・AML規則
「Anti-Money Laundering」の略で、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の防止対策を行う金融機関を支援する目的で設けられるプログラム。 多くの法域では、政府の規制により、銀行、証券業者、マネー・サービス業者等の金融機関に対して、当該プログラムを設けることが要求されている。

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[要約]

▼Nexera ID Walletのはじめ方

ほとんどのスマホユーザーは、すでに少なくとも 1 つの Web 2.0 ID を持っている。
FacebookやTwitter、Googleアカウントなど。
ユーザーはこれらの認証情報のいずれかを使用して Nexera IDでスマートウォレットを作成することができる。

▼Nexera ID wallet作成後のトークン購入

トークンを購入するために、Nexera ID にはOnramper統合が組み込まれている。

Onramper は、クレジットカードやGoogle pay, Apple payなどの決済手段で、多数の暗号資産を購入することが可能。

▼Nexera ID wallet上で、認証済みwebサービスの認証マネジメントが可能

例えば、あるときTwitterの利用規約が改変されて、もう利用しなくなるとき、Nexera ID walletの認証管理画面から、「Twitterへの個人情報提供を解除」のようなイメージで自分の個人情報提供をスムーズに管理することが可能。

▼Nexera ID さえあれば、スタートアップ企業への投資をすぐに行える

Nexera IDを使い、投資基準を満たすようKYCをクリアしておけば、Alliance Blockが提供する資金調達市場Fundrsにアクセスし、スタートアップ企業の投資機会にアクセスすることが可能となる。

FundrsのようにNexera IDを活用したKYC認証パスを、従来の投資会社も採用することで、スムーズなKYCをユーザへ提供することができる。

これによりAlliance Blockが掲げる、TradiFiからDeFiへの価値移転、を大きく前進することができる。

***

▼TIDV (Trust less Identity Verification)

TIDV は、ユーザーの ID の検証など、暗号化された認証データのトラストレスなオンチェーン共有を可能にする統合ソリューション。

一度認証されたユーザーは、プライバシーを侵害することなく、自分のデジタル ID を他のWebサービス提供者へ証明できるようになる。

TIDV を統合する・対応するアプリケーションやサービスが増えるにつれ、ユーザーは暗号化され検証された KYC レポートを簡単に提出できるようになる。

ユーザーは、自分の個人情報、その個人情報の保存場所、共有相手を Nexera ID wallet上でコントロールできる。

スタートアップ企業やWebサービス提供者(開発者)にとっては、TIDV との統合により、KYC の提供を自社で開発・統合することなく、KYC を実現できるため、コストと開発時間を節約できる。

たとえば、ある証券会社で、あるユーザが証券口座を開設しようとしたとき、証券会社側はユーザの氏名や住所、本人確認書類などをネット経由や郵便で送付してもらい、本人照合を実施しなければならない。ここには証券会社内部の対応コストが発生しており、証券会社としても圧縮した手続きである。

ここでもし、その証券会社がAlliance BlockのTIDVソリューションに対応していれば、「ユーザはTIDV済みか」をコネクテッドされた Nexera id wallet越しに確認し、本人確認を取ることができる。

仮にそのユーザが住所変更をするときも、証券会社としても住所変更手続きの応対をしなくて済むようになる。ユーザは手元のNexera ID walletのマネジメント画面で自分の住所を最新化し、それを証券会社へ"提供する" という操作をするだけでよくなる。

***

▼Alliance BlockのTIDV開始時に、本人確認の審査を行う「GBG社」

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