円預金リスク; その2 - 預金封鎖&財産税の歴史 (2022.10.10)
1) 1946年「金融緊急措置令」「日本銀行券預入令」が実際に起きている
2) 「新紙幣」が発行され旧紙幣は使えなくなる為国民は預金せざるを得なかった
3) これにより個々人のタンス預金があぶりだされ、資産額に応じて「財産税」を課した
★ 一言でいうと ★
過去の出来事を知る。過去と現在を比較すると酷似する要素ばかり。リスク分散の準備が必要
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▼1. 1946年の新札発行、預金封鎖、財産税
リスク分散会が作図
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1946年2月17日「金融緊急措置令」と「日本銀行券預入令」
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現紙幣は3月2日までしか使えない (号令発表後の2週間という短さ)
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現紙幣と新紙幣の交換は2月25日〜3月7日 (約12日間以内に新紙幣に交換必要)
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交換限度額は1人1,000円まで。それ以上の現紙幣(旧紙幣)は預金せよ(封鎖)
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預金封鎖後の引出しは1ヶ月で世帯主300円+家族1人毎100円まで
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給料支払いは1人500円まで。それ以上の給与は強制的に預金とする
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「臨時財産調査令」により 3月3日0時時点で財産調査を行い、財産税算定の基礎とする
・上記の一連の号令や制限を読むだけでも、当時の混乱さが目に浮かぶ
金融緊急措置令〇日本銀行券預入令ヲ定ム(緊急勅令)
https://www.boj.or.jp/announcements/koho_nichigin/backnumber/data/nichigin6-9.pdf
▼2. なぜ1946年に預金封鎖、財産税の発動が必要だったのか
リスク分散会が作図
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第二次世界大戦中に未払いだった代金の支払いや、退役軍人への退職金支払いなどに巨額の支出
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戦争中の食料品配給が撤廃され、食料品の需給バランスが崩れ、物価上昇
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財産税が実施されるとの噂により、預金引き出しが相次ぎ、物価は3ヶ月で10倍に急上昇
・1919年のドイツのハイパーインフレ時同様、戦費などの莫大な借金を国が背負っているという同じキーポイントが見て取れる
・国は経済を立て直すため、借金を金融業(日本銀行や銀行がもつ不良債権の償却)へ返済するために、国民資産から徴税する策を取った
▼3. 当時の財産税
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多くの華族も多額の徴税、土地、美術品の物納
→敗戦した国内では買い手がつかず海外に売却も -
また大戦中に発行された国債は旧勘定として分離され、 支払いを行わないという緊急措置もとられた 。言い換えると、国は借金を踏み倒した
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悪性のインフレが存在する特殊な経済環境下においては 国による借金の踏み倒しもやむなし、というのが当時の 公式見解だった
▼4. インフレの行き着く先は物々交換
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ハイパーインフレ下では通貨・紙幣は意味をなさず、 紙幣のやりとりでは売買を拒否する事態も発生
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農村において通貨ではなく物々交換が主要となり、
都市生活者も、食糧を手に入れるために自分の所有物との物々交換により生活必需品(食糧、エネルギー、衣類など)を入手するようになっていた -
1946年3月〜1948年7月までに卸売物価は11.7倍に
・現代も貨幣経済ではあるが、上記のように最悪の事態では貨幣は価値交換手段とならず、真に生活に必要な食材、エネルギー、水、衣服が価値を見直される
・現代の衣食住が満ちた消費社会において、何に価値があるのか、考え直す必要がある
★総括★
★この記事で伝えたい3ポイント★
1) 1946年「金融緊急措置令」「日本銀行券預入令」が実際に起きている
2) 「新紙幣」が発行され旧紙幣は使えなくなる為国民は預金せざるを得なかった
3) これにより個々人のタンス預金があぶりだされ、資産額に応じて「財産税」を課した
★ 一言でいうと ★
過去の出来事を知る。過去と現在を比較すると酷似する要素ばかり。リスク分散の準備が必要
今回の記事も踏まえた上で、
今後は「再び預金封鎖、財産税は起きるのか」「どういうリスク分散ができるのか」など皆さんが気になる部分にも触れていきます。
メディアや街中でもよく見かけるようになった「NISA」や「マイナポイント」などについても触れていく予定です。
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以上
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