DSDCとINXの戦略的提携!DSDCネットワークによるデジタルADR登録サービスのシステム像を発見👨💻 ますます高まるINXの存在価値📈
読者の皆さま、いつもニュースレターをご覧頂きありがとうございます。
今回はDSDCとINXの戦略提携により進められているデジタルADRについて深堀りしてみたいと思います。
DSDCとINXの提携発表は今から2年前の2023年でしたので、振り返りながら整理していきます。
2025年6月のいま、DSDCネットワークとKALYPテクノロジーの動向をリサーチしてみたことで、これから英国企業をはじめとしたデジタルADRがセキュリティトークンとしてINXプラットフォーム上で取引されるイメージを抱くことができました。
「DSDCネットワークとはこんなシステム像なのか!」「こういう立ち位置にいるのか!」「英国だけじゃなくて次々と計画が!」といった驚きが多くありました。
非常に期待の高まる情報を整理できたのではないかと思います。
これらの動向を知っておくことは、INXトークンホルダーにとっても有益な情報があるのではないかと思います。
2023年6月発表; 「DSDCとINXが提携し、規制対象デジタル米国預託証券(デジタルADR)の実現へ」
INXDF (INX)は本日、トークン化金融資産のコンプライアンス遵守に基づく発行およびサービス提供のための金融インフラのリーダーであるThe Digital Securities Depositary Corporation(DSDC)との戦略的提携を発表しました。
この提携により、完全に規制されたデジタル米国預託証券(ADR)の発行に革新がもたらされます。
KAYLP Technologies DLTを活用した DSDC の将来の機関投資家向け市場インフラと、INX のさまざまなデジタル資産の規制された発行および取引に関する豊富な経験を組み合わせることで、両組織は ADR などの従来の証券を近代化およびデジタル化し、規制要件への準拠を確保しながら投資家にアクセスと流動性の機会を向上させることを目指します。
具体的には、デジタル資産の発行、取引、資金調達のためのINX.One プラットフォームは、投資家に対し、デジタルADRに加え、トークン化された株式、セキュリティトークン、デジタル債券などのデジタル資産へのアクセスをまもなく提供します。
さらに、DSDCとデジタルADRは、英国、EU、その他の地域を含む国際企業に、米国の規制下での登録・上場という新たな機会を提供します。
上記一番下の引用部にあるように、「デジタルADRに加え、トークン化された株式、セキュリティトークン、デジタル債券などのデジタル資産へのアクセスをまもなく提供します」とあります。
この「まもなく提供します」と2023年6月にうたわれているものの、2年経過した2025年6月の現在も次なる公式発表はされていません。
DSDCとINXの連携によるデジタルADRのサービス開始はいったいいつになるのでしょうか。
この件について、今回リサーチしていた中でヒントとなる情報を見つけました。
このDSDCとINXの提携によるデジタルADRはいったいどういうものなのか、イメージがわきづらいと思いますので、ひとつずつ情報を整理していきたいと思います。
ADRとは
American Depositary Receiptの略語でADRといいます。
Depositaryは"預託"を意味し、Receiptは"証書"を意味します。
米国以外の企業の株式を米国市場で取引できるようにするために発行される預託証券です。日本語では「米国預託証券」と呼ばれます。
ADRの事例
既存の株式投資を例にADRを紹介したいと思います。
石油メジャー企業のシェル(Shell)を見聞きしたことはありますでしょうか。日本でも貝殻マークのガソリンスタンドで見覚えがあるかと思います。
ロンドン証券取引所、ニューヨーク証券取引所
このShellはイギリスのロンドンに本拠地を構え、ロンドン証券取引所に上場しています。
ティッカーコードは「SHEL」になります。
そしてこのロンドン取引所のSHEL株式は現地規制によりイギリス本国以外の投資家は投資できないようになっています。
そこでADR(米国預託証券)のしくみが活用されて、「SHEL株式のADR」がニューヨーク証券取引所(NYSE)上で「SHEL」として取引されています。呼ばれ方としては「SHEL ADR」という呼ばれ方をしています。
このニューヨーク証券取引所で売買されている株式はロンドン証券取引所で売買されているShellの株式「SHEL」そのものとは異なります。

ロンドンのShell株式をコピーした証券、違う言い方をすると、ある一定の手続きや管理体制をパスして米国で発行された預託証券=ADRがニューヨーク証券取引所で売買されているものになります。
ADR(米国預託証券)は、米国以外の国で設立された企業が発行した株式を裏づけとして米国で発行される有価証券となります。
上記の例でいうと、イギリスの企業であるShellが発行した株式(SHEL)を裏づけとして、米国で発行された証券が「SHEL ADR」となります。
ADRそのものは厳密には株式とは言えませんが、裏づけとなる株式から生じる経済的権利の全て(配当金を受取れる等)を含む有価証券であるために、株式を保有するのとほぼ同じ効果を得ることができます。
日本の証券口座からも投資可能
余談ですが、その米国で取引されている「SHEL ADR」に日本の証券口座からも投資することができます。
例えば下図のように、SBI証券の米国株式投資から「SHEL ADR」に投資が可能です。
石油メジャー企業であるShellは高配当銘柄として有名ですので、株式投資家の中では知っている人も多いかもしれません。
みずほフィナンシャルグループをみてみると
日本のみずほフィナンシャルグループ(FG)のADRもニューヨーク証券取引所で取引されています。
下図のようにみずほFGのwebサイトにはADRの諸情報が記載されています。

スポンサー付きADR、スポンサーなしADR
上図にある「スポンサー付き」というのはADRの種類になります。
「スポンサー付きADR」は株式発行企業の合意がないとADRが外国で発行できません。
「スポンサーなしADR」の場合は株式発行企業の合意がなくても、外国でADRが発行可能な種類になります。
米国証券コード; CUSIP
上図の「米国証券コード; CUSIP」というのは米国の証券ひとつひとつに割り振られている特定の識別コードになります。みずほFGのADRにもCUSIPが割り振られています。
このCUSIPについては後方でも登場しますのでここで紹介しておく次第です。
預託銀行
また「預託銀行」というのは、ADRを発行している金融機関になります。
預託銀行は、外国企業の株式を預かり、その株式を裏付けとして米国でADRを発行する役割を担う銀行のことです。具体的には、株式の調達、ADRの発行、米国証券取引所への上場手続きなどを担当します。みずほFGのADR発行はニューヨークメロン銀行が行っていることになります。
ADRを保有している投資家は、預託銀行に対して保管手数料を支払う必要があります。
長くなりましたがADRの概説を以上とします。
以上のようなADR(米国預託証券)が「デジタルADR」として展開されるというのはどういうことなのか引き続きみていきたいと思います。
まずINXが提携したDSDCとはどういう組織なのでしょうか。
DSDCとは
DSDCは、Digital Securities Depositary Corporation、日本語では「デジタル証券預託機関」となります。
DSDC は、完全にデジタル形式で、今日の取引環境への影響を最小限に抑えながら、金融資産のコンプライアンスに準拠した発行とサービスを行う、会員によって統治および運営されるインフラストラクチャです。
私たちは、DR(Depositary Receipt)市場を簡素化、改善、そして成長させるためのデジタルプラットフォームを提供します。
上記にあるようにDSDCは既存のDepositary Receipt(預託証券)市場をデジタル化して投資家に市場提供する役割をもっています。
デジタルDRと既存DRの対比
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